おじさんの背中
「文野さんって、
もう少し昭和の中でも、早く生まれてきていて
かつ、男に生まれてきてたら、
誰もがその背中を見て、ついてくる人になっただろうな」
これ、今年最後、私が美容室に行った時に、
いつも担当してくれている、Gさんに言われた言葉。
んんん?
褒めてる?けなしてる?
まあ。その時、そんなに悪い気がしなかったので、良しとする。
そんな、本来、昭和のおっさんであるべきだった私が、
就活している令和の大学生を見て、思う事。
前回の店長日記に書いた、就活真っ只中、Uちゃんの話の続きに
なりますが、
就活に苦戦する彼女とは対照的な、A君。
A君は某有名大学、プログラミングの能力にも長けていて、
あっさり、すんなり、
大手企業に、SEとして内定をもらった。
受けた企業は、おそらく2社。
面接は、全て自宅にて、オンライン。
さすがです。
片や、Uちゃん。
交通費、ほぼ自腹。北は北海道、静岡、名古屋、東京、大阪
どこでも行きます。
対面での面接で、
アナウンサーの面接に、なぜ、そんな(関係のない)ことを聞くのか?
と思う事にも、真剣に答え、
帰りの電車や、飛行機の中で
「あの時、なんて答えればよかったのか?」
と、正解の分からない、悶々とした時間を過ごす。
先日読んだ、あるコラム。
人生100年時代は、ビジネスに於いてスキルを更新し続けねば、生き残れないと言われていて、
今、求められる人材は
「DX人材」「AI人材」だそうだ。
(昭和のおっさんには、もうお手上げです)
全てに於いて、
人にも会わず、効率良く、スピーディーに物事を終わらせることが、
この先、もっともっと進むだろうし、
おそらく、そういう世界には、明確な「正しい答え」が存在して、
迷うことなく進むのだろう。
その、効率とか、安定とかの
真逆のところで、時間と労力を使い
泥臭いお仕事をしている私は、
「あの時、どうすれば良かったんだろう?」
「なぜ、あの時、こうしなかったんだろう?」の繰り返し。
この令和の世の中で、悲しいけど、
人のやること、間に人が入ることが、
何よりも効率が悪いという事に気づくのだけれど、
煮詰まった私の、カチコチになった頭に、
まるで窓を開けるかのように、風通しを良くするような感覚をくれるのも、
いつも周りにいる”人”なのです。
決して、効率の良い就活では無い、Uちゃん。
きっと彼女も、今、たくさんの人に囲まれ、導かれ、
いろんな感情を抱きながら、
この就活が終わるとき
「彼女なりの正解」にたどり着くと思う。
ぜひ、そこにたどり着くまでは、
あなたの周りにいる大人の一人である
負け戦とも知らずに、ただただ必死になっている
昭和のおっさんの背中を見て
頑張ってほしい。