空を行く
昨日、朝方に二人の友人からメール、ラインが届いた。
二人に共通したのは、二人とも飛行機に乗る前、
広い広い空港のどこかから、送ってくれている。
空港でのフライトまでの時間は、
飛行機にほとんど乗ったことが無い私には、あまり想像できないけれど、
思い付きでも、何でもいい。
とにかく、それぞれの出発前に何かしらメッセージを送ってくれたことが
嬉しかった。
朝3時。
自分の夢を持ち、その夢を叶えたオーストリアで
人生の半分を過ごした彼女は、この春、
旦那様の転勤でロシアへ。
愛すべき街を離れることに対しての、寂しさ、悲しさ、この先への不安。
見送りに来てくれた友達の前で泣きすぎて、
パスポートコントロールのお兄さんに慰められたことなどが
書かれてあり、
「この長旅の最中で、過去と未来の狭間にいる感覚。
不思議な初体験!」
と空に浮かびながらの移動時間を、こんな風に表現した。
オーストリア、ウィーンを出発し
アブダビ空港に着いたときにラインをくれた友は、
ここで6時間ほどのトランジット。そこからいよいよモスクワに飛ぶ。
「いよいよロシア上空でドキドキしています」
私は返す言葉が、見つからないまま、
自分の家の窓から見える空が、明けていくのを見ながら、
無事でいてくれることだけを祈った。
「空、好きやな~」
と、いつだったか私に言った先輩。
そう、私、空が好き。
いい天気の朝の空を見るだけで、なんでもできそうな気がするし、
綺麗な夕焼けの空を見るだけで、なぜか泣けてくる。
その先輩も
お仕事で山形県に向かう前に、空港の片隅から
メールをくれた。
自分だって、空港から広がる空を見て、ワクワクしてるんちゃいますか?
と、心の中で思いながら、メールで空を見ながら、お見送り。
この先輩は、日本の昔ながらの伝統を受け継ぎ、職人さんの手仕事で作られた、
古くからある素敵なモノを扱ったセレクトショップを営んでいる。
お店でモノを扱う前に、必ず、
実際に職人さんと会い、その手仕事を自分の目で見て、
その道具の成り立ち、モノが作られたバックボーンを
先輩は、自分の言葉でお客様にお伝えする。
毎回のその本気度に
お客様にモノに対する愛着が生まれたり、
丁寧にモノを使おうという気持ちになったり、
私達が忘れてしまっている、昔では”当たり前だったこと”を
取り戻したいと思い、モノを手に取るのだと思う。
来月、先輩のお店では「日常茶見聞楽」というイベントが開催される。
https://www.instagram.com/p/CpzP8ZvPJIr/?utm_source=ig_web_copy_link
子供のころ、普通に食卓に急須が、お茶があった光景が失われつつある今。
日常にお茶があることの良さを、ひたむきに伝えていくというこの企画。
”丁寧な暮らし”を考える、とてもいい時間になる。
どこまでも繋がっている空を見て、
その空に「がんばれー!」と言葉を発してしまいたいくらい、
春は応援したい人が、たくさんいる。
これを書いている間にも、またもや友人から
「今、北海道上空です!」というラインが、入る。
やっぱり、みんなも、空が好き。