水曜日のルーティン
七夕の夜が明けた、次の日の朝、
家を出た瞬間に、セミの声。
いよいよ、夏、始まります。
今年の七夕は、通勤道のなにわ筋には、あちこちに七夕の笹を見ました。
願い事を書いた短冊が、笹に括り付けてあるのですが、
短冊の数が、私が見てきた史上最多ではないでしょうか?
今年は、笹が気の毒になるくらい(笹が見えないくらい)
積み重なった短冊の重みに、よくぞ折れず、騒がず、
かなり、枝がしなった笹をたくさん見ました。
美容師新人時代に、よく先輩に言われた言葉
「折れるな!しなれ!」
を思い出させてくれ、
たくさんの願い事を背負っている笹さん。ありがとう。。。
水曜日。
私にとって、定休日明けの水曜日。
一週間のお仕事スタート前のルーティン。
お店がオープンした当初は、同じことを月曜日にしていたのだけれど、
一週間の始まりの水曜日の方が、気分が良い(ような気がするだけ)ので、
いつの頃からか、水曜日にお鞍替え。
まずはお店の中の、
ありとあらゆる棚から物を全ておろして、棚を拭く。
窓も拭く。ありとあらゆる鏡は、もちろん、拭く。
以前、棚や窓際に、物や植物が溢れている感じが、
自分の中で重たくなって、
気分的に、モノに押しつぶされそうになった時期があります。
でも、あるお客様に
「お店って、かっこ良すぎたら、お客さん、しんどいよ。
お店っていかに、”崩すか”が重要。
それを、飾る気持ちの方が、大事」
と教えて頂きました。
それから、なんだか吹っ切れて、
私なりに”まぁ、これもこれで、あり”
と思えるようになりました。
ありとあらゆるものを所定の位置に直して、
お店のグリーンたちに声をかけながら、お水をあげたら、
近所のお花屋さんに行って、この週に玄関とお手洗いに飾る花を買い
帰り道にある関根珈琲さんで、焙煎珈琲ならではの贅沢なコーヒーをテイクアウトして、
お店に帰ってきます。
せっかくの贅沢なコーヒーを、半分くらいがぶ飲みしながら(時間が無いからね)
お花を花器に。
これが、また、一週間の始まりの朝に欠かせないのですが、
「お花を考える」こと。
今更ながらですが、生け花の先生によくよく言われてきた
「空間を、うまく作ること」
それが、いかに大事か。毎回、痛感しています。
私が、この水曜日の朝に買っているお花は、
花屋さんの軒先に500円で売っているミニブーケ。
これは、このお花屋さんでおそらくだけど、
売れ残ってしまった。けど、まだいける的な、
処分するには、まだ早い的なお花を、
お花屋さんのスタッフの方が、彩りや形、品種をバランスよく選んで
小さなブーケに仕立て直し、
もう一度、このお花達に日の目を浴びさせているものだと
思っています。
この花屋さんの事、だいぶ前の店長日記にも書きましたが、
相変わらず、接客サービス。ゼロ(笑)
”花で勝負してますから。何か?”ぐらいの勢いですが、
この新町という土地は、
お店の店主がどれだけ不愛想でも、流行っているお店がたくさんあります。
お客様はみなさん、それを承知で並んでいるし、
接客云々より、そのお店の、その日手に入れたかったものが手に入れば
全く文句なし。余計なものは要らない。
ある意味、楽と言えばラク。
でも、他にはない”質”や”強み”を持つことが大事なんだろうな。。。
お店がなくなっては、また新しいお店の内装工事がすぐに始まるこの町で、
少しでも長く続けていく術ってなんだろう?
残念ながら無くなってしまったお店が、”0”として、
今現在、ずっと長くお客様に支持されて続けているお店が”100”だとして、
私は、今”0”と”100”の間にいます。
先ほど書いた、お客様から教えて頂いた
”崩す”ことの重要さの言葉が私に響いたのは、
今の私は「0か100か」ではなく、
その間の37点とか62点みたいな、中途半端な数字のところで
行ったり来たりしながら、喜んだり、悩んだりして
結果的には、その地点で今を楽しむしかない。
と思えたからだと思うのです。
最近、あのお花屋さんの軒先に、
ミニブーケの無い日がありました。
代わりに何かおススメしてくださいと、
おそるおそるお願いしたら、
花器の高さとか、場所とか聞くだけで、ちゃんと良いものを選んでくださいました。
(ちょっと、お花入れすぎですが(笑))
まぁ、こんな日も、ありで良しとする。