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”夢”ってなんですか

数日前でした。

朝一番、お店に着いて何をするって、窓を開けます。

その時、フワッとほのかに香った

キンモクセイ。

その日から、ぐいぐい毎日どこかで、このキンモクセイの香りを感じる日々。

 

少し気温がひんやりする朝に、この香り。

新鮮な気持ちに、そして頭の中をクリアにしてくれます。

さあ、また一日、がんばるぞ!と。

 

 

今年は、この人の言葉にも、毎日硬くなった頭や心を、

「そうだ。そうだよね。」と一人でうなずいたり、

「そうか~。」と一人肩を落としたり、

読み終わった後、シュッと襟を正したくなったり、

その言葉に、解きほぐされています。

 

田辺聖子『上機嫌な言葉 366日』

今月10月のお題

” 十月一日

若い日の夢はあきらめずにじっと抱いていないといけない。

自分の身内に力の潮がみちてきたとき、

必ずその卵はかえる。

どうしても形を成さない、

しかし夢の一つにちがいないというものは

筺庭(きょうてい)深く秘めておく。”

 

10月朔日早々、なかなか深いこと書いてるなと思っていたところに

10月3日。

先輩の誕生日会で京都に向かう京阪電車の中で、

目を通した朝日新聞。

この日の朝刊、トップは

新型コロナウイルスワクチンに対するmRNAワクチンの基礎技術を開発した

独バイオ企業ビオンテック顧問のカタリン・カリコ氏と

米ペンシルべニア大教授のドリュー・ワイスマン氏のお二人に

今年のノーベル生理学・医学賞が決まった

と言う記事でした。

カリコ氏の2005年前後に発表された論文から

新型コロナウイルスワクチンの開発に繋がったのは2020年末。

世界で接種が進んだのは2021年。

(2022年には、変異株に対するワクチンにも使われる)

この日の朝刊は、この二人の苦難に満ちた、悔しい思いを幾つも重ねた日々の

関連記事もたくさんありました。

2022年、このmRNAワクチンによって日本国際賞を受賞し来日した際の

カリコ氏のインタビューでは

「職を失ったこともあったけど、

なぜ私なのかと考える代わりに、

『次にすべきことは何か』と切り替えました。

自分の力で変えられないものは受け入れ、

他人のせいにしない。

もちろん、ギブアップはしませんでした」

と語っています。

まさに、田辺聖子先生のいう、

夢という抱えてきた卵がかえる日がきたと言う感じです。

 

さらに、この日の「天声人語」はこの『カリコ氏を励ました一冊』

生物学者のちにストレス学の大家となった、ハンス・セリエ氏

このセリエ氏の自著

『生命とストレス』という本で若手研究者らを、強く励ましています。

この本を高校時代に夢中になって読んだカリコ氏。

 

”たとえ何年も成果が出なくても、諦めない事。自分を信じること。

新たな発見に必要なのは

「長く味気の無い期間にたえる楽天性と自信なのです」”

少しだけ、私のことを書かせて頂くと

美容師になるのが子供の時からの夢だったとか、

美容師になったからには、お店を持つことを目標にしてましたとか、

そういうモノをもってここまで来たわけでは全く無く、今があります。

カリコ氏の今回の一連の記事を読みながら思った事。

 

自分の心にとって

「あー、こんなの嫌だ~」とか

「あー、まずいぞ。このままは」とか

そういう”嫌なこと”って、直接ダイレクトに、

とても分かりやすく思う事だとおもいます。

 

その反対に、

「こうなりたい」とか「こうしたい」とか「これが好きだ」

とわかるまでには、

自分で色々考えたり、体験したりしながら

自分でたくさんの時間をかけて、選ぶもののような気がします。

 

美容師を選んだ時も、独立を決めた時も

共通して言えるのは

「このままでは、嫌だー」という感情から、

もう一歩そこで終われなくて、追い込まれたときに

『じゃあ、どうする?どうしたい?』

と延々と自分自身に問いかけたことから、

夢や目標と思われることが、始まったと思います。

 

この先も「嫌」にぶつかるたびに、

根気よく、そこで止めてしまわないで

『じゃあ、どうする?』

と、自分で考えぬくことを繰り返すことで、

何か新しい、夢や目標らしきものを見つけていくのかなと

思っています。

 

最後に、昨日見つけた深い言葉