ひらり一言
「内側で生きない。自分の力をギリギリの外側で測る。」
♢
自分の可能性の想定範囲を小さく測らない。
表面張力みたいに、すこしハッタリをかけるくらいでいいのよ!
◇
朝日新聞デジタルで、毎週日曜日の朝が楽しみ。
歌手の加藤登紀子さんの連載
『ひらり一言』
ほんとに、一枚の葉が目の前に
”ひらり”と落ちてくるかのような、ハッとする言葉と
いつもそこに添えてある、加藤さんのその言葉の意図に、
グッとくるものがあります。
去年の11月。
毎月のカット講習に向かうため
早朝の地下鉄に乗っていた私。
難波駅から二駅ほどいったところで、なんだか知ってる顔が乗ってきた。
黒い帽子に、黒のニット、黒いパンツに
黒い大荷物。
「あれ?ひょっとして、森川さん?」
この偶然会った黒ずくめの人が、今回のイベントに来てくれる
メイクアップアーティスト・森川真由子さんだ。
早朝の地下鉄、女性専用車両で
この偶然の再会に感動したのに、大きい声も出せず
「何、何、何、なんで?こんな時間に?何してんの?」
朝の起きたての二人の声は、女性専用車両には似合わない
野太い声で、ぼそぼそ話す。
コロナで、メイクという仕事の需要が無くなり
一度は、メイクから離れて違う職業に就いたものの
コロナが明けてから、もう一度メイクの世界に戻ってきたという彼女。
ヘアメイクのアシスタントで入った現場でも、いろんなところで、いろんな人に
「私もメイク、やります!お仕事ください!」
と自分から声をあげてきた。
こんな早朝の電車に、かなりの大荷物を持って仕事に向かっていくというのに
「今が、一番メンタルも仕事も安定してます」と森川さん。
その横顔が、かっこつけてるわけでもなく、
なんだか“素”の森川さんだった。
地下鉄で彼女と別れたあの日から
いつか、チャンスがあれば彼女と何か一緒にお仕事をしようと決めていた。
冒頭の加藤登紀子さんの言葉に出会った、
実に二日後の出来事だった。
”技術”を必要とするお仕事に就きながら
「上手い」って何かわからないと私はいつも思っている。
いろんな技術を見ながら
それを自分で気づいて、自分で学んで、
自分で上に上にと登っていかなくてはならないモノなんだと思う。
「上手くなりたい!」という気持ちが
現在進行形の森川さんとベテランの溝口さんが施すメイクの
目指すところは
お客様の”幸せな顔”を引き出すこと。
二人ともメイクと言うよりも「”顔”が好き」
その人の顔に、”何か足りない。。。”
からスタートして
その”何か”をメイクをしながら見つけていく。
そして、チークであれリップであれ、何かを補った瞬間に
「あっ!ここだったのか!」
と足りなかったものを発見できた嬉しさと共に
お客様のお顔の表情が変わり、穏やかな、幸せな顔になる嬉しさ。
だから、メイクが好きなんだと。
先日のミーティングで二人ともが同じ気持ちを語ってくださった。
イベントまで
あと一週間。喜んで頂けるように頑張ります。