ラ行の話
日頃から「小さな奇跡」と思っている事。
例えば、毎朝たくさんの情報が載っている新聞の中に
思わぬところで素敵な出会いがあったりすると、嬉しくなります。
過去に興味を持ち「この人、面白そうだなぁ」
と思って本を手にとったものの、その時はあまりピンと来なくて読まずに終わったのに
長い年月を経て、
新聞でその人の連載を見つけて読んでみたら
「むっちゃ、オモロイやん!」
私がこの新聞を読んでいなければ
さらに、この人もここで連載を持っていなければ
この人のこういう面白さに気づかぬまま終わっていた。
けど、巡り巡って、出会えた。
そんな他愛もないけど「小さな奇跡」
穂村弘さん、
現代短歌を代表する歌人の一人。
この人の連載「言葉季評」これが、結構私のツボにハマります。
最近の記事の書き出しはコレ↓
「るー、るー、るー、ルッコラ!」
「らー、らー、らー、ラッパー!」
ある日、穂村さんが道を歩いて来た時に耳に飛び込んできた
令和の小学生たちの会話。
一瞬「?」っと思ったが、二人の小学生は通学路で”しりとり”をしていると気づく。
通学路でしりとりって、懐かしい。
それにしても、穂村さんも書いているが
昭和の小学生のしりとりは
「しりとり→リンゴ→ゴリラ→ラッパ(“er”は付いてない)
パンツ→ツバメ なんたらかんたら~」
令和の小学生は、
「る」に対して「ルッコラ」
「ら」に対して「ラッパー」
私が小学生の時にルッコラってあったかな?
(ちなみにルッコラと言われて、私の頭に浮かんだのは、謎にラディッシュ)
ラッパーっていてたのかな?
(頭に浮かんだ人はいるけど、その人はなんか違う気がする)
穂村さんは、このしりとりの件から次の様に書いています。
”日本語のしりとりにおいて、
ラ行の言葉はそもそも貴重というか、他に比べて弾数が少なくて、
自分にそれが回ってくると困ったものだ。
特に「る」。「る」と言えば、とっさに「ルビー」くらいしか思いつかなかった”
もう一つ、穂村さんはこんなことも
”そういえば「令和」という元号を初めて聞いたとき、
それまでの明治、大正、昭和、平成に較べて、
その響きがなんだか異質で、新しく思えた。
「令和」と言う言葉は日本最古の歌集である万葉集から典拠であって
由緒正しいはずなのに、どこか新鮮に感じれたのは
令和の「れ」
つまりラ行の響きのせいだったのかもしれない”
ラ行って貴重なんだな。。。
と思って、そういえば
お店のポイントカードをほぼ全員、お店でお預かりしています。
名字でア、カ、サ、タ、ナ、ハ、マ、ヤ、ラ、ワ行に分けて保管しています。
Mueに関して、圧倒的に多いのは、「ア行」のお客様。
不思議なくらい、群を抜いて多いです。
私の中で日本の三大名字の田中、鈴木、山田を属してないけど、「ア行」がトップ。
確かに、ラ行の名字の方っていらっしゃる?
お客様に書いていただいている、アナログ手書き顧客名簿で
「ラ行」を調べると。。。。。
なんと、いらっしゃいました!しかも、たった一人!!
さらに、さらに、その方のお名前が、なんとー!!!
「龍神様」
凄くないですか(笑)
なんか、アイスキャンデーの木の棒から「あたり」って出たみたいな。
これも、小さな奇跡という事で。