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その一言を待っていた

今日、最後のお客様は、2ヶ月に一度、お母さんと息子さん2人の合計3人でご来店してくださる方々でした。
お母さんは基本的にカラーがメイン(1ヶ月に一度カラーに来て頂いている)。下の息子さんは高校生。なので基本的にカット。もう一人の息子さんは大学生。カラーとカットをしてくださる。
この息子さん達、凄くいい子達。さらに言うなら、顔もカッコいい。お母さんは、自慢の息子達だと思います。なんですが、いい子が故に、彼らのヘアスタイルを仕上げて、鏡を見せた時のリアクションが、私が思うに、きっとあんまり満足してないのに、「いいです」と言ってる感じがありました。なんとなく、私はいつも彼らのリアクションを聞いても、消化不良。いいって思ってないのに、おばちゃん美容師に気を遣っている?と思ってました。なんだか、諦められている様な気がして嫌でした。
一度、大学生の息子さんからのご予約のメールに、「お客様なので、気を遣わず、ヘアスタイルのことは何でも言ってください。」と書いた事があり、その時もちゃんと、その大学生イケメン男子は返信をくださって
「全然、気を遣ってないですよ。満足してます!」なんてメールがかえって来る。やっぱりおばちゃんに優しい。
ヘアスタイルを仕上げて鏡を見せた時のお客様の表情や、声、身振り手振りは、そのヘアスタイルが、その人にとってどうだったか?を察する手がかりがあります。もう少し切って欲しいとか、なんか(ヘアカラーが)暗くない?とか言える人はいいけど、言えない人の方が多いので、それを察して、そのヘアスタイルがダメな場合、何がダメかお客様から引き出す様にしてます。しかし、男性のお客様は、比較的何をしても「まあ、こんなもんかな」という感じで終わってしまう人が多い。それじゃあ、ダメなんだって!と私は思っています。
今日、大学生の息子さんのカットをしていて、もう少しでカットが終わる時に
「あの。。。今さらなんですけど、前髪を後少しだけ切って、横とかも、後もう少しずつ切ってもらっていいですか?せっかく切ってもらったのに。すいません」なんて言ってくれるじゃないですか!よくぞ、言ってくれた。
そこから、もう一度、前髪を設定し直して、サイドから始まって全体を彼の思う長さに近づけていく。少しずつ近づけてお客様の思う長さにぴたっと重なった時、やっぱり仕上がったヘアスタイルは、凄くいい。たった1cmを変えただけでも、そのお客様のイメージしていた長さに追い付いた時、そのヘアスタイルは、ものすごく素敵になるのです。
現に今日の彼も言った。「なんか凄く良くなった!何が違うんやろう?」って。
お客様の持っているイメージと私が持っているイメージが、必ずしもイコールな訳ではなく、少しずつでも歩みより、ぴたっと重なった瞬間も、ちゃんと察することができる。こういう感動もお客様とシェアしたいです。
いい仕事って、こういう仕事だと思ってます。
お互い、諦めずにいきましょう!