夏の始まり
7月がスタート。
7月1日早々に、通勤のなにわ筋で一瞬、セミの鳴き声を聞いてしまった。
フライングしたセミがいたのか、鳴く練習のセミがいたのか、私の聞き間違いか。
とにかく、あっという間に夏が来た。通勤途中に見ていたこのヒマワリも、開きだしていた。
ネット予約が始まって、早くも2か月。
今月は中旬あたりに、高校生たちの予約が入っている。
面白いのは、この高校生達、みんな同じ様な日に予約サイトを開いて、同じような日に予約を入れている。
おそらく、期末テストを終えて、夏休みが始まると同時に髪の毛を切りに来てくれるようだ。
これまた、どの方も卒入学の前に、髪の毛を切りに来て以来のご来店。
高校生になって初めての夏休み。どんな予定を立ててるのかな?
高校生になった途端に、ぐぅんと大人っぽくなる人が多いので、とても楽しみ。
夏が始まる前、ぐぅんと大人になったお客様がいる。
6月の最後にご来店頂いた、大学生のT君だ。
お客様の息子様からご紹介頂き、約2年間、大阪より京都に近い高槻市から2ヶ月に1度、必ずご来店くださっている。
T君が初めてご来店くださってから、
私が知っているこの2年間に彼は、
生まれて初めての美容室、
初めてのカラーカット、
初めてのアルバイト、
初めての恋愛、そして失恋もを得て。。。
この6月に見事、就職活動も終わらせた。
初めてのご来店の時は、コロナ禍の真っ只中だった。
「僕、アニオタだったんです」というT君は、
今まで多くの時間とお金を注ぎ込んできた、趣味のイベントやライブなるものが全て中止になった。
私が思うにコロナ禍こそ、お家時間が増えて、趣味の世界に没頭できそうなのに、
この時からT君は、なぜか他の世界に目がいきだした。
初めてご来店してくださったとき
「イケメンの隣に立つ自分が、恥ずかしくて。
隣にいても恥ずかしくないように、かっこよくなりたい」
と、言ってたT君。
このイケメンというのが、彼を紹介してくれたお客様の息子様のことで、(確かに、イケメンです!)
大学で行動を共にする、頭も良い、運動神経も良い、そしてイケメンという彼に、
T君はいつも憧れというよりも「尊敬する」という言葉を使う。
初めてのアルバイト先で経験した初めての恋も、
2次元でしか在り得なかったT君にとって、3次元での経験は、とてつもなく大きかった。
今回、彼が内定をもらった会社は、大手旅行会社。
このコロナ禍に、なぜ?旅行会社を選ぶ?。しかも、T君理系。。。
「僕、人を喜ばせることが好きなんです」
イケメンの隣に立つことも、
恋した人に、考え抜いた完璧なデートプランも、
全て、その気持ちに繋がっていく。
そう言った時のT君の顔が、
とてもいい顔で、これこそ、大人になっていた。
出会う人、経験した出来事を通じて、
自分自身を知っていく。そして変えていける。
ありがとうT君。
夏の始まりは、T君のおかげで明るい気持ちで、スタートした。