言葉に紡ぐアロマ 後編
今回、この講習会の講師の𠮷原先生は、長く塩野香料という会社で
香りの研究をされてきました。
この香りの研究の中で、とても地道に積み重ねてこられたことの一つに
「香りを”字”で残す」というものがあります。
一つ一つの香りに対して、その香りを自分の言葉で、表現する。そして記録していきます。
例えば、
ジャスミンなら→フローラル
オレンジなら→フレッシュ
サンダルウッドなら→ウッディ
シナモンなら→スパイシー
といった感じに、その香りを感じたままに言葉で残したものをデータにしていきます。
そして、創りたい香りのイメージを考えて、
仮にイメージが「森林の香り」と決めたら
森林を連想される言葉出して分解していきます。
「森林」→
爽やか。木のにおい。土のにおい。風で揺れる木々。澄んだ空気。等々。
この「森林」を分解していった言葉と、自分の言葉に残している香りのデータの言葉とを
似ているものを組み合わせると使用する香りが決まり、
後はそれぞれの配合量を決めていきます。
今回、私は香りのイメージを「Cuteな女の子」に。
ジャスミンの濃厚なフローラルさが少し重たいので、
その重さを打ち消すように、爽やかな香りのプチグレンとシダーウッドをミックスして
軽い香りに仕上げました。
ノリで創った割には、Cuteな女の子的ないい香りができた!と思って、
提出すると、先生の一言は、
「おてんば娘やな」
目に見えない香りというものを、言葉で表現し、言葉で紡いで
1つの香りの作品を作っていくのだけれど、
表現力の豊かさが、
香りの可能性を広げてくれたり、
香りの作品の中に含まれた繊細な部分にまで
手が届くような気持ちになりました。
「花の王」ジャスミン。
魅力が満載の花。まだまだ勉強です。