ひにち薬
今月、どのタイミングだったかは思い出せないけれど
「あ、冬が来た」
と思った朝の空があって。
その朝に、なんだか怪しい。。。と思っていたことが、
仕事からの帰り道で、確かなことになってしまった。。。
とうとう両手に”しもやけ”登場。冬の到来です。
”推し活”とまではいかないけれど、
この人の書く文章が好きで、
読める連載やコラムは、SNSで「どこどこに掲載」と告知したのを見ると、
とりあえず、読めるモノは雑誌であろうが、Webであろうが、全部追いかけて読んでいます。
大平一枝さん(作家、エッセイスト)
この一年間は、テレビなどにも出演されているので
ご存知のかたも多いと思います。
私が、初めて大平さんの文章に出会ったのは、5年前。Mueをオープンさせて直ぐの頃でした。
お店が暇で暇で暇で、仕事が無いので
当時はいろんなネットの記事や本を読んでいました。
あるとき『東京の台所』という大平さんの連載を見つけて、
その連載に引きこまれるように、静かなお店で毎日毎日、バックナンバーを読みあさり、
お客様がいないので、お店で一人大泣きした回もあるくらい(笑)
”失ったものがない人などはいない”と学んだのも、この大平さんの連載でした。
『東京の台所』では、
人が自分の人生で失ったものを、
「台所」と「食」を通じて、また別の何かを取り戻していく、
その人にしか成し得ない物語が大平さんによって書かれています。
先月でしたが、『北欧、暮らしの道具店』のYoutubeで大平さんのインタビューが
配信されました。
私と同年代の佐藤店長が、大平さんとお酒を交わしながら
いろいろお話する時間がうらやましいなぁと思いながら見てました。
いろんな感情や、身体に関しても”揺らぎ期”に突入していく
50代ならではの悩みや、聞きたい事を佐藤店長が大平さんに投げかけます。
お二人の会話の中で出てきた言葉で、
私も、今実感できること。
「 ”時” の経過って、何よりも信頼できるものだ 」
若い時は、日にち薬って信じれなかったけど、
疲れた体や心は、時間の経過で回復できる。
心や身体を使って、ぐちゃぐちゃとやってしまう時間は
自分の土壌を”耕している”期間。
そして、揺らぎ期を抜けたら、
「どこを自分は”深堀り”していこうか」がわかってくるから。と大平さんは言います。
かれこれ3年間毎日飲み続けている漢方薬、1年間欠かさなかったサプリ。
頑張ってもやっぱり両手にできた、しもやけ。
でも実際、春になれば毎年ちゃんと、治る。
仕事をしながら、身体の老いを感じながら、
思い通りにならない事が起きたり、モヤモヤしたりしても
”いつか、時間が解決してくれる”と信じて待つこと。
このYoutubeを見た後、
時間の経過という薬は、身体や心の傷を癒す、治すだけでなく
”自分を信じる”という事も教えてくれるのではないかと思いました。
まもなく始まる繁忙期、12月に向かって
「大丈夫。最後まで一緒にやり切ろう」と、しもやけで赤くはれてる手に話かけた。
準備完了です。