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情熱ノート

検索すれば何でも答えてくれる、AI。

なんなら会話も交わして答えをくれる、ChatGPT。

大量のデータを解析しAIが自ら考えて判断してくれるので

会議の資料作成から、人生相談、広告の綺麗なモデルのお姉さんなど

AIが何でも人間に取って代われる時代になった。

 

進む未来と逆を行きたいアマノジャクには、アナログなものと相性が良く

脳みそのどこかに葬っていた10年前の記憶を、

ポンっと前に押し出し、しかも鮮明に蘇らせたのは、自分の手で書いたノート(記録)だった。

 

あつーい、暑苦しいくらいの気持ちが溢れてるものを読み返すと、

笑ちゃうくらい真面目に取り組んでいる、あの時の自分だから書けた賜物だ。

10年前に書いたノートを開くきっかけは、

自分の気が向いたときにメイクレッスンをお願いしていた鵜飼先生のメイクサロンで

今年の5月から全10回のプロフェッショナルコースを受講することに決めたからだった。

 

過去に頑張って5年間通ったカマタメイクアップスクール。

笑うしかない情熱にあふれたノートを書いていたわりにメイクの技術は散々で、

満足のいくレベルに達することができず卒業した。

 

メイク以外にも、アロマテラピー、生け花、英会話。

興味のあることに関して、食いつきだけは良く、惰性で続けることが得意。

そこそこまでやるが、成功体験までいかないのは、

「どうしてこれをするのか?」が、

ちゃんと芯に入ってないから

「一生懸命何かに取り組んでる自分、かっこいい!」で終わってしまう。

 

とはいえ”頑張ったけどうまくならなかった”という汚点は引きずっていて、

以来、メイクには自信はなく、たとえ自分のお客様だとしても

「メイクはメイクのうまい人に担当してもらえばいい」と思っていた。

 

なのに何を血迷ってまた、メイクを。。。

同じ過ちを繰り返さないためにも、今回は「どうして?」に思いを馳せる。

第2回目のレッスンがあった今月、

鵜飼先生の情熱たっぷりカマタメイクアップスクールでのノートを見せて頂いた。

日付け、1990年。いまから35年前の記録は

真っ白だったであろうルーズリーフは茶色に変化していて、

全て手書きの文字や絵には、色あせない当時の”気”が伝わってくる。

変わらない精神性を持ちながら、時代の流れと共に

技術や知識を必要であれば手放し、また必要だと思えば戻せる。

そんな風に鵜飼先生は、積み重ねてきた様に思う。

 

 

ふと、

「私は、この人(鵜飼先生)にメイクを習いたいんだな」と感じた。

 

初めてMueで鵜飼先生がメイクイベントをしたとき

お客様と向き合ってメイクが始まった途端、

私は、一瞬、そこに風が吹いたような気がした。

時間も空気も普通に流れているんだけど、ガラッと鵜飼先生の持ってるゾーンに切り替わった。

(すいません。私個人の感覚で変なこと書いてます)

 

”師”と仰ぐ人の元、

AIが迫りくる時代に、美容師は技術職でありながらも

この先はより一層、

”技術”より”人となり”で生き抜いていく覚悟がいることを

メイクを通じて教えて頂いている。

 

「腹の呼吸が、手の先、道具の先に伝わる」

茶色のノートに浮かんでいたその文字を

目と心に刻んでおきたいと思った。

 

また、新しくノートを書こう。

いつか、全てが鮮明に思い出せる様に。