土曜日のルーティン
毎週土曜日の私の朝は、ここから始まる。
私が住んでいるマンションのお隣のビルの一階で、
町工場を営んでいる野崎さん。
(この方も以前、店長日記に登場してます)
その野崎さんのところで預かって頂いている、”ヤクルト1000”を取りに行く。
「のざきさーん!おはようございます!!」
と入り口で一応挨拶するけど、
私の出勤時間には、すでに近所の喫茶店(決して”カフェ”ではない)にて
モーニングを召し上がっていらっしゃる時間なので
野崎さんは不在。
「入りますよ~!」
って、誰に言うでもなく入って冷蔵庫に向かう。
『昭和の高度成長期、求められていたのは、
「会社に対して忠誠心と協調性とがあって、
上司のいう事をよく聞き、粘り強く心を一つにして働く」労働力だった。
そういう優秀な工場労働者に支えられて、日本は第二次産業を中心に発展し、
世界第二位のGDPを誇る国になりました』
これは先日読んだ、あるコラムからの抜粋の文章ですが、
野崎さんはまさに、その時代を優秀な工場労働者として生き、
今なお、粘り強く働く背中を見せる人です。
私の父も、同じくその時代に町工場を営んでいた、工場労働者の一人。
野崎さんの工場に漂うノスタルジックな感じが、
自分の子供の頃の実家の風景や、父が働いていた後ろ姿を、
思い出させてくれます。
ヤクルト1000を保管してくださっている冷蔵庫。
毎週、野崎さんは冷蔵庫の扉にホワイトボードのマジックで
メッセージを書いてくださっています。
昔、どこの駅にでも設置されていた、改札近くの伝言板を思い出します(笑)
私にとって土曜日は、一週間の真ん中、折り返し地点。
(水曜日から一週間がスタートするので、土曜日は真ん中)
その朝に、この野崎さんの伝言板は、なかなか良いモチベーションに繋がります。
この伝言板以外に、野崎さんによく言われる言葉
「人の役に立ちなさい。
そうすれば、必ず何かで返ってくるから」
大きな事は出来ないけど
私は目の前のお客様を、ちゃんと綺麗にしたい。
それが、一番身近で、人のお役に立てることだと信じて。