目指したいモノは
毎年,この11月は「Japan Hairdressing Awards(JHA)」の表彰式があります。皆さんには、きっと馴染みがないと思いますが、この一年間でこの美容業界の発展、繁栄の為に創作活動を通じて活躍した美容師さんに贈られる賞です。テレビに出てくる美容師さんではなく、この1年間を通して美容専門誌に自分が作った作品を発表している美容師の中から選ばれ、祝福するという1年間かけて評価されるロングランのイベントです。このJHAの作品は、毎年楽しみですし、誰が今年のグランプリをとるのかな?というのも楽しみです。
自分の作った作品を写真に落とし込んだフォトコンテストや、実際にモデルを使って出るコンテスト等、いろんな形がありますが、今年はコロナの影響でほとんどのコンテストが中止になり、このJHAを目掛けて1年間頑張っている美容師さんには、つらい1年になりました。
私は、コンテストに出たりする美容師ではないのですが、このJHAを目指す美容師さん達みたいにクリエイティブな作品を撮りたい。もしくは、そういうクリエイティブな美容師でありたいと思っていた時期もありました。実際、このJHAの審査員をされている先生にカットを約10年位習っていました。そのクラスは当然、クリエイティブが好きな生徒が多く、コンテストの話でも盛り上がってました。私も普段のサロンワークだけでは物足りないと感じていた時期でもあり、撮影などにも興味があったし、とにかく、なんだかカッコいい!と思ってそのクラスに通いました。でも、いつしか違和感を感じ出します。なんか違うかも。。。と。
そういう気持ちでいながらも、そのクラスにいた時に、先生が海外のヘアショーに行くことになり、違う先生がピンチヒッターで来た時がありました。このピンチヒッターの先生は、クリエイティブというよりは、サロンワークつまり、毎日のお客様にフィットするヘアスタイルを教えてくださる先生でした。この時に、やっぱり私はクリエイティブなモノより、サロンワークでいかせるヘアスタイルを学びたいと思いました。そして、次の新しいクルーから、サロンワーク中心の先生に変えて学び直す事になりました。
この授賞式で今年のグランプリの美容師さんがスピーチで「カッコいい美容師ってなんだろう?と考えていた」と言ってました。本当に、そう思う。みんな、自分の思う“カッコいい”を追い続けていると思います。
そして、目指すモノがわからなくなった時こそ、目の前のお客様をキレイに、満足して帰って頂くことに何よりも力を注いでます。
自分が目指す“カッコいい”は、変化していきながらも、ずっと形にならずして、追い求めていくモノだと思ってます。
あきらめず、“今”大切なことを感じ、実行あるのみですね。