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マイナスの技術

お料理が好きなお客様のお話を聞くのは、お料理をしない私ですが、凄く楽しい。
今日も美味しそうな豚の肩ロースのお話。
豚の肩ロースの塊(これすら、イメージできなかった私です)を美味しいお塩を表面にすりこみ、ラップに丁寧にピタッとくるんだら冷蔵庫に。3~4日後に長ネギと生姜を入れたたっぷりのお湯で1時間ほど茹でる。茹でた豚肉は粗熱がとれてから、薄くスライスして、大葉や野菜にくるんで(いろんなタレを作って)タレにつけて食べる。聞いているだけで、美味しそう!私は、できません。

じっくりと「待つ」こと。時間をかけることで、この豚肉はほどよく脂が抜けて、さっぱり食べれるらしい。
今回の様に、「ただ茹でる」というシンプルで簡単なことだけど、長い時間をかけていて、そうする時間をかけるから、豚肉からいらないものを取り除き、大切なものだけを残してくれる。美味しい料理とは、シンプルでいて、じっくり時間をかける。そうすると、素材の大切な部分が引き立つ。これが大切だとおっしゃっていました。

カットという技術もそうです。
まっすぐに切るというシンプルなことの繰り返し。まっすぐ縦に切ったり、横に切ったり、斜めに切ったり。じっくりとした時間がなくても、どこを切るか?ではなく、“どこを残すか?”を丁寧に考える。
カットは足し算ではなく、引き算。マイナスの技術で生み出す美しさだと思います。

今日、長い髪の毛を、肩にあたる位までカットするお客様がいました。シンプルにボブを作ります。
いきなり長さを切らずに、何度も、彼女の思う長さがくるまで切りました。あと、もうちょい。というところにハサミを入れた時に彼女の表情も変わります。「あっ、いいかも」って感じに。
シンプルな技術で、お客様の魅力を最大限に引き出すカット。お料理できない分、私はこっちを頑張ります。