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「実る」まで

毎年1月に宮中で催される「歌会始」(うたかいはじめ)は、日本の和歌の伝統を受け継ぐ大切な行事。本来なら明日の1月15日がその日になるのですが、今年はコロナの影響で70年ぶりの延期になったそうです。
決められたお題に対して。天皇や皇族方、今では広く一般の方からも和歌を募ります。
私がこの「歌会始」を知ったのは、生花を通してでした。私が習っていたのは“嵯峨御流”の生花でしたが、このいけばな嵯峨御流では、この歌会始の御題にちなんだ「御題花」が毎年11月位でしょうか?発表されます。先生が生けて玄関に飾っていらっしゃるのを見てきました。
今年の歌会始の御題は「実」です。
先日、紹介したうめだ阪急のコンコースウィンドウの迎春花にもこの「実」にちなんだ作品があり、「南天」を使ったとても素晴らしい作品でした。
そして、Mueの今年の初仕事の日にお客様から頂いた、「とらや」の羊羮。とらやもこの歌会始にちなんだ商品を販売しているんですね。お客様もこの歌会始に触れて教えてくださりました。このとらやの御題羊羮「実りのきざはし」は、この箱にあるイラストと同じ配色(紅、橙、黄)で階段の様になっている羊羮なんです。
「きざはし」は「階」と書き、階段を指す言葉だそうです。「夢に向かって着実に進み、積み重ねた努力が実を結ぶまでのさまを表した」と書いてました。
絶対、明日食べると決めていたので、明日まで開けないぞ!と何度も手が延びても「あかん!」と言って慎んできた私。
夢とか今年の目標とか、具体的なモノは恥ずかしながら、毎年1月には出てこないんです。(ただの休みボケを引きずっているだけかも知れないですが)だけど、目標や夢とかとは関係なく、毎日、お客様を目の前にしている時間は、作るヘアスタイルも、そこに漂う空気感も、いいモノにして一客一客、積み重ねていきたいです。そしたらぼんやり見えてくる何かとか、わかってくる事が、じわじわ目標になっていく感じです。
明日は、この「実のきざはし」をしっかり味わいます。何か、見えてくるかな~。