言葉に紡ぐもの①
いつの間にか、朝の通勤道のセミの鳴き声も勢いが無くなり、
もう世の中はお盆期間。
二十四節気の「立秋」を迎えただけあって、
植物や虫たち、そして朝の太陽の光の差し込む角度など、
ちゃんと、秋に向けて季節は移り変わり始めています。
私のお客様に、大阪に住んでいますが、
普通に農業を営んでいらっしゃる方がいます。
他にも、趣味の域を超えるくらいの家庭菜園をされている方もいて、
この方たちは、季節の変化と共に、毎日が忙しくなったり、落ち着いたり。
人の力ではどうにもならない、自然の流れ、自然の摂理に沿いながら、
自分の生活を楽しんでいらっしゃるように見えます。
その中のお一人で、お家の近くの保育園に、給食の調理のお仕事や、お掃除だけでお勤めされているお客様がいます。
このお客様の旦那様が、ご自身のご両親が残した、広大な田んぼや畑を受け継がれていて、
(その畑で育った美味しいお野菜を、私も毎年、いくつか頂いているのですが)
この旦那様が育てたお野菜やお花を、奥様がお勤めされている保育園に持っていって、
給食の食材になったり(この保育園では給食、おやつが全て手作り)
毎日保護者の方々も目にする、保育園の玄関を飾る、その季節を感じるお花になったり。
秋は、もちろんこの畑で、旦那様が全て準備して焼き芋です。
ものすごく自然な形で、このご夫婦は、何年か前から
この保育園の「食育」を担当することになりました。
季節に合わせた食材の話、子供たちみんなでお味噌を一から作ったり、
さらに今年の春は、このご夫婦が簡単な苗代を作り、
そこに子供たちが種籾を蒔いて、それが発芽してある程度大きくなってから、田植えをするという
(毎日、発芽する様子を子供たちは見に来て、喜んでいたそうです)
プチ農業体験もされてました。
奥様は子供たちに、実際に農業を体験することと同時に、
いろいろと、面白おかしく子供たちにお話をされます。
田植えをする時期の日本の暦「八十八夜」は、
「立春」から数えて88日目。
だいたい5月の2日から3日目は、
太陽と月しか頼ることができなかった時代から受け継がれる、
種まき、田植えといった春の農作業が行われる時期で
「農業をする人には、とても大切な日」
という言葉でも、子供たちに知っていてほしいことを伝えています。
”伝えたい”という気持ちは、
この保育園の子供たちにとって
この先、大人になっても、ずっと体と心と頭の中に
いろんな形で、残るのだなとおもいます。
この夏に、”伝えたい”ことを伝えてくださった人たちの
お話を、また、次回。