三つの無
このお店が3年続いたら、
そこでもう一度、”この人たち”と一緒に何かしようと、密かに決めていたことがあります。
”この人たち”
Mueの内装デザインを請け負ってくださった、お馴染み
サカグチワークス・岩田さん
そして、もうお解りの方もいるでしょう。
Mueのホームページを手掛けてくれています、こちらもお馴染み、甲斐ちゃん。
この人たちと、もう一度、一緒にお仕事がしたくて。
ただ、それだけの理由で作った、新しいポイントカード。
この3月から、今までのLINEのポイントカードより移行しています。
今回もカードのデザインは岩田さんに。
と言っても、私が今回”ぜひとも!”とお願いさせて頂いたのは岩田さんのお父様。
今、子供たちに絵画教室を開いていたり、
ご自身も絵本を書いていらっしゃったり、
既に、Mueの「ちょっと待っててね。シリーズ」の看板をデザインしていただいてます。
去年の私の思い付きの構想から、
岩田さんの若干厳しめの指揮の元、お父様の”産みの苦しみ”の約半年間を経てデザインが出来上がり、
それに甲斐ちゃんが、
色を付け、カードの紙の質、光沢、形を専門家の視点から、
あれこれ考えてくれました。
カードに押すスタンプも、岩田さんがいろいろ提案してくださって、
手作りサイト”Creema(クリーマ)”の可愛いスタンプ作家さんを見つけてくださり、
このペーパーレスの時代に、紙のカードに逆戻り。
なのに、凄く満足!
3年記念に、私らしい良いものができたと思っています。
そして、このお二人には、本当に感謝しています。
最近、新聞を読む時間を作っています。
先日の朝日新聞「天声人語」から
”博物館には「三つの無」と言う言葉があるそうだ。
いわく無目的、無制限、無計画。
動物の骨格標本などを収集し、保管する時の理念だとか。
(中略)「たとえ今は必要がなくても、100年後、誰かが必要とするかも知れない。
その人の為に、標本を作り、残し続けていく。それが博物館の仕事だ」
現在の基準に役に立つかを、判断しない。”
今年に入ってメイクのイベント、そしてこのポイントカードと、
私にとって、ほぼ収益の無い、むしろ出ていくものの方が多い事に
ご自身で会社を経営されているお客様から
「利益出ないのに、何のためにそれしたの?」
とっても的を得た質問をされました(笑)←笑ってる場合ではない。
もちろん、こんな私を心配してですが。
学者でもない私が「三つの無」の理念を振りかざしたいのではなくて、
いつもこの無目的、無制限、無計画からスタートする私は、
それが形になっていく過程で、もしくは終わってから、
”何のために”とか、”誰の為に”も
”どうなっていきたいか”とかにも、
少しずつ、少しずつ、時間はかかるけど自分自身で理解するときがきます。
「100年後、誰かが必要とするかもしれない」
そんな、誰もわからない未来に、
”かもしれない”という、
ちっちゃな期待。
わたし、そういうのが好きなんだな。
おまけで、そんな事にも気づけた春のスタートです。