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脳科学か。ファンタジーか。

「いそいそとする」

この言葉が、気にいっている。

先月の最後のお休みに、久しぶりに手にした田辺聖子さんの本。

一日毎に、田辺さんの関西弁で語る、人生を面白おかしく過ごせる言葉が載っている。

一日毎に、その日付の文章を読み重ねていくのが楽しみで、

今日はなんて書いてるかな?と、読みたさに早起きできるほど毎日の楽しみになった。

3月は、卒入学に加え、春は年始とはまた違う、新しい気持ちになるシーズン。

まずは、何より”いそいそ”させて頂ける事に、お客様への感謝は忘れない。

と同時に私には、この時期ならではの、

その人、その人が大切にしている新しい何かに向かっていく気持ちに応えたい、

いいヘアスタイルを提供したいという、

自分が勝手に背負う、プレッシャーとの闘いのシーズンでもある。

だから、この田辺さんの本の今月、3月のテーマはうってつけで、

「私、いそいそしてますねん」

このニュワンス、フレーズは、

忙しいシーズン中の、私の伝わって欲しく無い、

浮いたり沈んだりする、いろんな気持ちを包み混んでくれる感じがして、気にいっている。

今年に入り、

朝5時起きして、散歩もして、早い時間から仕事に取り掛かっているという

友達の話を聞き、

すぐに感化させてしまう私も、朝5時起き

(正確な時間は、起きたい自分と起きたくない自分とのせめぎ合いで、なぜか5時17分起き)している。

早く起きた分、朝に読書の時間を作った。

本だけで無く、新聞、雑誌のコラム、いろんな人のブログと読みたい物がたくさんあって、

この時間まで!と決めている時間まで、あっと言う間に過ぎる。

そんな中で、書く人、書くことが、違うものを読んでいるのに、

度々、私の目につく言葉がある。

その言葉が、

『寄り道』

以前、先程の5時起き友達に

「引き寄せの法則」的な話になった時、

「あることを強く願っていると、脳が自然とそれに関する情報をキャッチするようになる。

有益な情報を多くキャッチすれば、

それだけ選択枠も増えるし、決断もするし、行動にもつながる。だから物事が動き出す。

引き寄せの法則を”脳科学”的に捉え、簡単にいうとそんな感じ」

と言う、とっても知的な解答を得た事がある。(違う切り口の考え方も持っているらしい。。。)

 

『寄り道』したいのか?私は。

そんな事を、本気で(笑)考えていた時、この本に出会う。

街の小さな図書室が舞台。

 

狭いレファレンスカウンターの中で大きな体を埋め込み、

本の相談以外は、ずっと羊毛フェルトに針を刺してる、司書さん。

この司書さんが、何冊か相談者に対して提案する本の中に、一冊は思いもよらない、ちょっと変わった本のセレクトをする。

そして、本の付録に、なんの関係も無さそうな、手作りの羊毛フェルトをプレゼントされる。

そして、この、関係のない変わったセレクトの本と、

意味が分からない羊毛フェルトが、

その人の未来を好転させる”きっかけ”を提供することになるというお話。

なぜ、司書さんが、一瞬にしてこの先の未来に、

この人に必要な、本や、羊毛フェルトがわかるのか?というところが、

本の世界ならではのフィクション、もしくはファンタジー的な要素がある物語。

物語の終盤、

それを、不思議に思った相談者の一人が

司書さんに,

なぜ、それがわかるのか?を質問をするシーンに、

私の『寄り道』の答えへの道のりが浮き上がる。

以下、本文より司書さんの言葉。

“でもね、私が何かわかっているわけでも、与えているわけでもない。

皆さん、私が差し上げた付録の意味をお自身で探し当てるんです。

本もそうなの。作り手の狙いとは関係の無いところで、

そこに書かれた幾ばくかの言葉を、

読んだ人が自分自身に紐づけてその人だけの何かを得るんです。”

 

今月から読み始めた、田辺聖子先生の言葉が、

毎日1つでは物足りないから、先読みしてページをめくって読んでしまったこの言葉。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『寄り道』をこういう風に紐つけてもいいはずだ。

 

 

脳科学でも、ファンタジーでも、あるような。無いような。

長い私の『寄り道』は、ここでひとまず、終了できた。