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答え合わせ

「読書は人生の答え合わせでいい」

そんな文章を

どこかのコラムだったか?

本だったか?

いつ読んだったか?

輪郭はぼんやりとした記憶なんだけど、なぜだか頭に残っていて、

そして”人生”とまで大きくはなかったけど、

”答え合わせ”的な要素が多かった、この本。

『居場所』

吉本興業元会長 大崎洋さんが書いた

「心のすみか(=自分の居場所)を見つける」をテーマに

大崎さんが提案する

”ひとりぼっちの自分を好きになる12の「しないこと」”

まず、私がこの本を読もうと思ったエピソードから。

第2火曜日は、毎月カットの講習会があるので東京に行きます。

朝の新幹線は、サラリーマンでほぼ座席は埋まっています。

時間が早ければ、早いほど、

パソコンを立ち上げて、パチパチしてるか、

寝てるか。のどちらか。

駅の売店で週刊誌を買って乗り込んできたような人を見るのは、

もう、ひと昔前の風景になりました。

紙の新聞を読んでいる人も少なくなり、

ましてや本なんて、スマホやkindleの時代です。

それだけに、私が座った席の通路を挟んで隣の席の男性が

珍しく本を読んでいる人だったので、本のタイトルに目がいきました。

『居場所』か。。。。。

新大阪を出て、静岡辺りまで来たときに

車内販売のお姉さんが来たので、ホットコーヒーをお願いしました。

当然、車内販売のワゴンを通路に止めて、コーヒーを入れてくださるので、

先ほどの本の男性と私の間に、車内販売のお姉さん.

 

お姉さんを見ながらコーヒーをお願いした時に、

私の視界に入った、本を読んでる男性の

 

目尻から、涙が一筋、頬につたってます。

 

(え?泣いてる?)

そーっとなぜか、息を止めて背筋伸ばして、もう一度男性を見ると

ハンカチで目頭を押さえている。

涙がハンカチを越えて溢れそう。

 

(うそやん。なんで?)

私の薄っすら口が開きながらの視線に気がついた、

車内販売のお姉さんも、男性をガン見。

そんなわけで、その後、

スマホで『居場所』について検索。

本当にいろいろなこの本にまつわる記事が出て来て、

ちょっと、おもしろそうやん。と。

この本『居場所』の中で、

「白黒はっきりさせようとしない」という章があります。

その中で、大崎さんは漫才のネタでも、会社の提案でも、ものづくりでも、

未完成なうちにみんなと共有した方が、

客観的な意見が聞けるし、いろんな気づきも得られることができて、

結局、より良いものができると言います。

”どこか曖昧で、どこか胡散臭くて、どこか意味がわからない。

そういうネタの方が、案外いいオチに結びついて、笑いも取れたりするんですよ。”

(お馴染み、Mueのホームページ等をお願いしている)甲斐ちゃんと私は、

何かを作りだすとき、私の手書きの

”どこまでも曖昧、ちょっと意味不明”

のメモから始まります。

それをベースに、いろいろ話し合い、形にしていく甲斐ちゃんは、

本当にすごい!といつも思っています。

今年、Mueの3周年の記念に、甲斐ちゃんがプレゼントしてくれたクッション。

「お店が3年もったら、もう一度、オープンに携わってくださった人たちと

何か一緒にお仕事したいと思っていた」

という私のブログを読んで、

そういう私の気持ちを盛り込んで、なにも言わずサプライズで

デザインして作ってきてくれました。

こういう彼女の、黙って人を慮れるところに

私は惹かれる。

 

”漫才と言うのは、

ボケとツッコミがそれぞれ全く違う意見でなければ、

成立しません。

ボケの勝ちでもなければ、ツッコミの勝ちでもない、

思いがけない「オチ」がついてこそ、

笑いが生まれます。”

今年が半分終わる、今日。

途中経過の答え合わせ。

今年のお正月に、先輩のお家でおせち料理を頂いた後、

”今年の目標”を書いた、私の書き初め。

お店のバックヤードの目につくところに置いてます。

(これを私が意気揚々と毎月通っている

フットケアのS先生に見せたところ、

「文野さん、この字でよく終わらせることができたね~(笑)」

と言われました)

 

この本を読みながら、

そして、この店長日記を書きながら、

今年の年頭から、曖昧さ炸裂していた私は

こういうざっくりとしたモノ、

白黒ハッキリしてないモノが好きなんだと

今更ですが、気づくのです。

あの新幹線の男性も、何かしらの答え合わせがあって、

涙したのかな?と思ったり。

 

イメージ的に、今年の私の目標”奥行き”は、

広いけど、ちゃんとゴールや囲いが見えてる

プールの中を、

自由形や、平泳ぎやと泳法を変えながら、

水中に潜ったら、息ができない事は知ってるから

とりあえず、顔は水面から出して、

コースを外れたら、「元のコースに戻れ」と

教えてくれる人が現れたり、

一緒にちょっとだけ泳いでくれる人が現れたりしながら、

足がつくところで休憩しながら、

そのプールの奥行き分を

自分のペースで泳ぎきる。

そうやって、今年の最後に、

プールのどこかにいて、自分の泳いで来た軌跡を

振り返ってみたいと思いました。

最後に、もう一つ。

無事に半年を終える事ができた、

今、私の周りの人、物、事、全てに感謝して。