黒いダイヤ
「黒いダイヤ」
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
”長く美しい黒髪”が、そんな風にも呼ばれることがあり、
今や高値で取引される商品になっています。
今、私がドハマりして読んでいる朝日新聞の連載
「インド新時代」
世界一の人口となったインド。
この連載の中では、あまり知られていない「大国」のいろいろな側面に光をあてて
日本とは異なる価値観や文化を紹介しています。
最近の話題では、8月に旧ソ連、アメリカ、中国に次ぐ4か国目となる
月への着陸に成功。
今回、世界初となる月の南極付近に着陸するなど「宇宙大国」として
存在感を高めているという記事には、
多くの子供たちが興奮して、月の着陸成功を見届け、喜んでいる写真もありました。
さらに、インド政府が「半導体大国」を目指して
関連企業の誘致に力を注いでいるという記事も面白かった。
アメリカ、中国といった国の覇権争いも含め、
この先の2027年には日本を抜いて米中に次ぐ
世界第3位の経済大国になると予想されているインドが
現時点での製造業に対する投資も凄い。
私にとって身近な話題もありました。
インド商工省によると、
2022年度の人毛の輸出額は、147億ルピー(247億8千万円)
前年度より18億ルピー増。
インドは世界屈指の「毛髪輸出大国」なのです。
しかも、この輸出量の25%はヒンドゥー教寺院からもたらされているということ。
「髪を神に捧げることで、我々はエゴを捨て去れる。
剃髪は参拝前の大事な行為」
といった信仰心に基づく安定した髪の供給量が、インドの強みだそうです。
「カリヤンカッタ」という髪を剃る場所が、寺院のすぐ近くに10か所ほどあり
1200人の理髪師が交代で24時間、参拝者の頭を剃っているという記事を読み
ちょっとそこに行ってみたい。。。と一瞬思いました。
私が知る限り、今の日本で“人毛”と呼ばれているウィッグは
中国人の髪の毛です。
そして、やはりこの連載でも書かれてありましたが
インド人の髪の毛は、自分たちに似た毛質である欧米で人気。
特にアメリカではインド人の毛髪による、ウィッグやつけ毛は人気だということ。
2003年、SARS(重症急性呼吸器症候群)の感染拡大で
中国からの人毛輸出が減ったころを境に、価格が上昇。
希少価値の高い欧米人の金髪の高いもので
1キロあたり約50万円
中国人やインド人の髪も15万円ほどの値段がつくようになりました。
(カットレッスン用ウィッグ:中国製
ちなみに数年前まで4200円だったこのウィッグも今や6600円)
時代と共に中国、東南アジアでパーマや毛染めの習慣が広がりましたが
「インドでは経済発展を遂げても、神に捧げる文化は変わらなかった。
今も自然な黒髪に対する美意識と
ヒンドゥー教への祈りが続く限り、今後も、安定した供給ができる」
とインドの人毛輸出業者は言う。
こういうウィッグに関するバックグラウンドを知ると
レッスンのウィッグも粗末に扱わないようにしなきゃと思うのです。
一台のウィッグで、ワンスタイルで終わらさないで
よく似たものでもいいので、せめて3つはヘアスタイルを切ります。
でも最後は、いつもこんな感じ↓
スッキリでしょ(笑)