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今だから、わかること

「今日は、どの香りを着よう」

“香りを着る”という新しい習慣を。

『habitus』(@habitus_tokyo)

 

【habitus】ラテン語で

「服装・持った・身につけた習慣」

そして英語の

”habit(習慣)” + ”us (私たち)”

 

New Habit of Us

「香りを”着る”という、新しい”習慣”を”私たち”が作っていく」

 

 

今、100年以上の歴史を持つお線香の会社が中心となって

新しいお香のブランドを立ち上げ、商品開発を行っています。

 

 

今週の火曜日に、

その新しいお香を作り出している現場にお邪魔させて頂きました。

この日、お香をつくっている工場見学をさせて頂ける!という事で、

姫路、そして淡路島へ。

 

そこで見た工場の風景、

そこで聞けた、このプロジェクトのお話が、

じわじわ、その日以来、私の中で大きくなっていきます。

実は、月曜日の夜にお仕事を終えてから

姫路に移動して、お食事をしながらのミーティングにも参加させて頂き、

そこで、このプロジェクトに関わっている方々から

いろいろお話を聞くことができました。

プロジェクトリーダーの社長のお話の中で

”Innovation”(革新、新しい切り口、捉え方 etc)

という言葉が、とても印象に残りました。

お香の製造を担っている会社、香りを担当している会社、

それぞれの会社の社長との信頼関係や

今までの実績や経験があるからこそ、自分たちの技術や知識に自信をもって

今こそお香の業界に

”Innovation”を持ちかけていくという攻めの姿勢。

この閉塞感のある時代に、

お酒を飲みながら、プロジェクトに関係のあることも、無いことも

楽しそうに話す人たち。

もちろん、話題の大半は”お香”というものに対する

ベテランの方々の熱くて、強い思いなわけで、

その思いを汲みながら

ロゴや、パッケージのデザイン、

SNSを使った広告といった、社長たちの思いを形にしていくチーム。

世代も業界も違う人たちが、アルコールの力も働いて

グッと距離が縮まっていく感じは、側で見ていてワクワクしました。

以前、会社組織で働いていたころ、

こういう社長を交えたお食事会は苦手で、常に逃げ腰の私でした。

今になって、いや、この日のこの夜のミーティングをご一緒できて、

あの時の社長も、同じように熱くスタッフに自分の思いを

アルコールの力を借りながら、

面白おかしく、楽しく伝えたかったんだろうな。。。と

今になってわかる。

実際の工場見学では、お線香を製造する現場を見ることができました。

”香り”を作り出す原材料、

原材料を練る機械、その練りあがったものをお線香の形にしていく機械、

さらにそれを乾燥させていくお部屋、

(これらの機械や方法は、それぞれの会社で独自の方法があり、企業秘密)

出来上がったお線香を選別して、量を計って箱詰めしていく人たち。

それぞれの作業が、工場の中でうまく一つの導線でつながっています。

 

工場の中は、持ち場によっては室温の高い中で機械を扱う人、

たくさんの段ボールが積まれている中で

黙々と淡々と、そして実に正確に自分が任されているお仕事に向き合っている人、

”人の手”によって作り出されていく製品の素晴らしさを

間近で見れて感動しました。

私達が手に取る数々の商品は、

こうした人たちの手によって作り出されていると知ることは

とても大切だと思います。

私の先輩が、お店で扱う商品の製造元に必ず足を運び、

自分の目でこういた現場を見てから、その商品を扱う気持ちがわかります。

そして、もう一つ。今だから分かること。

 

今回見学させて頂いた工場を見た時、

まるで、私の父が経営していた工場を思い出させました。

私の実家は、当時一階が工場で、二階から上が住居。

子供の頃、そのまさに”町工場”という様を人に見られるのが、恥ずかしくて

友達に実家を見られることが嫌だったこと。

工場の中で、黙々と働いていた父や、

段ボール箱に埋もれながら、作業していた母を

うまく受け入れれなかった、あの頃の自分。

今更だけど、両親に「ごめんなさい」だよ。ほんとに。

淡路島を後にして、車で渡った明石海峡大橋に

とても綺麗なお月様が、ちょうど真ん中に浮かんでいました。

忘れないでいたい気持ちが、たくさん。

 

帰って来て、サンプルで頂いてきたお香を焚くと

(お香は”聞く”といいます)

今までとは、少し違って感じます。

「今日はどの香りを着よう」