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繋いだ手

11月に入ると、

通勤道にあるお店のディスプレイが、一斉にクリスマス仕様に様変わりします。

 

オーバーツーリズム気味の京都の、気持ちよい風に吹かれながら

バス停の長い列に並び本を読んだ日は

もう一か月も前の話なんて、信じられないくらい時間の流れが早いです。

10月の終わりに書いた店長日記。

鵜飼先生とのレッスンの話題でしたが

最後にパリ在住のデザイナー、イリエさんについて書きました。

鵜飼先生についてのブログを書いたとき

ブログを書き終えたテンションで、直ぐにブログをアップしてしまうので

ダメなんだけど鵜飼先生には事後報告になるのですが、

「何か、間違っていることや、訂正してほしいことがあれば

おっしゃってください」とお伝えしています。

この時も、私はイリエさんから鵜飼先生に届いた

フランスからのエアメールが、すごくかっこよかったので、

その写真を載せていたのですが、

住所、電話番号、名前まで載ってる個人情報満載の写真。

さすがに止めておこうとなり、写真を削除。

その後、鵜飼先生がすぐさま、あのブログに載せた写真を送ってくださったので

元のブログよりもはるかに良い仕上がりになりました。

(黒のミニに着古した皮ジャン、ウエスタンブーツに

昔からお気に入りのシルバーのアクセサリーとレイバンのサングラス、

古き良いモノを使い続けるイリエさん)

 

さらに訂正があるので、

ここでちょっと訂正も兼ねて、鵜飼先生から教えて頂いた

イリエさんの事を書きます。

まず、私がちゃんと鵜飼先生のお話を聞いていなかったので

ニアミスなんですが、

イリエさんを鵜飼先生の伯父様と書きましたが

正確には、鵜飼先生の旦那様(たかしマネージャーと私は勝手に呼んでいます)の

伯父様です。鵜飼先生はイリエさんにとって甥っ子のお嫁さんになります。

イリエさんは、8人姉弟の末っ子で

(”末男”と名付けられたのはご本人は気に入ってなかったそうです)

一番上のお母さんの様な存在だったイリエさんのお姉さんが

鵜飼先生の旦那様の、お母さん。

そのお姉さんが大阪の十三の魚屋さんから

京都の仕出し屋さんに嫁ぎました。

 

イリエさんは古き良きものがたくさんある京都によく足を運んでは

新門前や古門前等骨董やきものや蚤の市に来られていて、

ご両親がお仕事で忙しかった甥っ子の鵜飼先生の旦那様を連れて

よく京都御所で遊んでいたとのことです。

(遊び場が、京都御所って?凄くないですか。。。)

世界で活躍するファッションデザイナーのイリエさんから

「日本の京都でメイクって言ったら真理さんって僕は思っているから」

というメッセージに、心が震える鵜飼先生です。

そんな鵜飼先生のレッスンに向かった京都でバスを待ちながら、読んだ本。

”人の縁”について書かれた短編小説。

その1冊の中に12個の短編小説があるのですが

それぞれの小説の主人公が、どこかで誰かと交差する。

それが特別なものでは無くて、誰にでも起こりうるのではないかと思う形で

出会ったり、交わったりする。

その小説の中で、人と人との縁ってどこから来るのか?という

話をするシーンがあります。

 

例えば、

鵜飼先生も私も、同じカマタメイクアップスクールに通わなければ

出会わなかったわけです。

もしも、鎌田先生がカマタメイクアップスクールを作らなければ、

さらに私たちが通った大阪校を作らなかったら

出会わなかったわけです。

さらにいうなら、

鎌田先生に大阪校を作ろうと思わせた何かか、誰かがいるわけです。

 

この小説の会話の中で、今、目の前にある縁について

こんな風に書かれてあります。

 

「(人と人の縁って)どこからきたのか、わからないだろ?

わからないけど、でも確実にいるんだ。

さかのぼっていくと、繋がっている手がどこまでも無数に増えていくんだ。

どの手がひとつでも離れていたら、

ここにはたどり着けなかった。

どんな出会いも、顔もわからない人たちが

脈々と繋いできた手と手の先なんだよ」

 

この小説は、ここで終わりません。

この次のこの言葉に、私は胸を突かれました。

「でも、一番素晴らしいのは、

遠いところで手を繋いできた人たちが、

自分がどこかで誰かを幸せにしているかもしれないなんて

まったくわかっていない事だね。

それがいいんだ。

自分の身の回りのことに取り組んだ産物が、

あずかり知らぬ他人を動かしたってことが」

 

 

この小説を読んで、

人と人を繋ぐ手は(人とのご縁は)

きっと自分の想定内のモノで終わらせるものではないということ。

それだけじゃなくて

未来に自分の知らないところで、

予想を超えた展開になっていくことが、大事なんだということ。

 

さあ、明日から12月。

一年の締めくくり。

今年、繋いだ手を、また来年へ繋げるために。

120%のお仕事、心がけます。